vol.78 子どものうちから金融教育を!

いよいよスタート、高校授業で金融教育

いよいよ今年の4月から高校の家庭科授業で金融教育がスタートします。同時に民法改正により18歳で成人(vol.75参照)になりますので、自分のお金周りのことはしっかりと考え、計画的に行動に移せるよう金融庁と文部科学省が手を取りあい、金融商品による資産形成を意識した成人の育成を目指します。

うちの子どもはまだ幼稚園児だなどと軽視せずに早目に各ご家庭でも取り入れて欲しいと思います。小学校では2020年度から、中学校でも昨年2021年度から「お金の役割」など、英語やコンピュータープログラミング教育と併せて金融教育は既に始まっているのです。

日本はこれまで失われた20年と言われ、物価はなかなか上がらず、労働賃金もあまり増えないデフレを長らく経験してきました。7年8カ月に及んだアベノミクスでは景気の底打ち感を経験し、日経平均株価は2009年3月10日の最安値7,054円98銭から2021年2月16日には30,467円75銭を、9月14日には31年ぶりとなる30,837円99銭と大きく躍進しました。

そして2022年は新型コロナからの回復や労働人口の不足、原油・天然ガスの高騰、更には世界の基軸通貨を有するアメリカの景気が急回復しつつインフレが加速し長期金利が上がり続けて、アメリカ中央銀行FRBはいよいよ今年3月には政策金利を引き上げると公言しています。日本の長期金利との金利差が拡大し、円売り・ドル買い傾向が強く円安が続いています。エネルギー価格の上昇に伴い輸入物価が高騰しており、前号(vol.77)でも述べたように、今日本は空前の値上げラッシュを経験しています。

大人たちは日常生活において光熱費やモノの価格上昇に直面してインフレを実感していると思いますが、子どもたちは蚊帳の外にいるのが日本の実情です。これまでお金の教育は公然とはされず、各家庭の経済事情に沿った親からの教育しかなかったわけですが、大半のご家庭ではお小遣いの使い方程度は学ばせても、親自身も学んでこなかった金融教育を子どもと向き合いしっかりとした体制で教えることに不安や抵抗感をもっていた人は多かったのではないかと思います。

アメリカの長期金利上昇に影響を受け日本の長期金利も少しずつ上がり始めており、2月から大手3メガバンクは10年固定住宅ローン金利を0.05~0.1%引き上げました。

しかし、日銀は市場金利が上り過ぎないよう他の先進国とは反して超金融緩和政策(金利は低く世の中に多くのお金供給すること)を長年継続しています。金融専門的な話にはなりますが、日銀を率いる黒田総裁の任期は来年2023年4月8日まで。歴代の日銀総裁では在任期間は最長となります。

輸入物価は高騰を続け、値上げラッシュが続く日本において、2016年1月末に決定され2月から実施されたマイナス金利政策は既に6年を超えていますが、このまま継続されていて良いのでしょうか。金融筋では来年の日銀総裁交代にあわせてようやく正常化へ向け、これまでの超金融緩和政策の方向転換の可能性がささやかれています。

このような実際のお金の流れを含めた一連のお話は大変重要であり、子どもの金融教育の第一歩だと思っています。株式や投資信託などの金融商品で値上がりしたことの魅力を伝えるだけではなく、これまで日本で起こったこと、その時世界はどうなっていたのか、そして今どうなっていて、今後どうなる可能性が高いのか。

子どもたちがオトナになり将来子どもに金融教育できるよう、小・中・高における金融教育はぜひとも継続されて欲しいですし、その教育内容はどんどん進化して欲しいと思います。私も微力ながら、その一助となれるよう精進し続けて参ります。

2018年11月30日vol.1より3年と3か月余り、「子どもとお金」をテーマにお金の流れや動き方につきお伝えしてきました。

大変残念ではありますが、諸事情によりHanakoママWebは今月で一旦休止され、またいつかリニューアルされると編集部様よりお聞きしています。

これまで拙い文章や内容ではありましたが、いつもご一読くださりありがとうございました。Twitterを通して励ましやご感想などもいただき大変有意義な時間を過ごすことができましたことをこの場をお借りして心からお礼申し上げます。

私の連載コラムで、もし少しでも皆様のお役にたてたことがありましたら大変嬉しく思います。

小さなマーケットではありますが、私はこれからも情報発信を続けていくつもりです。
どこかでまた私の記事を見かけました際は笑顔でお読み下さると幸いです。

コロナ禍はまだまだ続きそうです。お金のことも大切ですが健康第一でお過ごしくださいね。

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