vol.1 ディズニーランドで子どもの自立性や経済観念をつけさせる

子供から大人まで楽しめるエンターテイメント施設

親にとっては財布が少し気になります。でも、子供の成長には最高の場所です。

初回、2回目、3回目、行く度に変わるお財布事情と子供達が求めてくるもの

我が家には3人の息子(現在、中2・小6・小4)がいます。長男はどちらかと言うと“のんびり屋さん”な性格で、幼少期は特に自宅では、おもちゃではしゃぐ訳でもなく、また喜怒哀楽をむき出しにするタイプでもありません。そんな彼の感性を磨くためにも時間があれば公園など極力外出したものです。

我が家が初めて訪れたディズニーランドは長男がちょうど2才で、歩くのが大変上手になった頃でした。その日は仕事が早く終われたので急遽足を運び、「アフター6チケット」で入園しました。

入園ゲートをくぐるやいなや、日頃のんびり屋さんの長男が目にもとまらぬ勢いで突然走り出したのです!私も妻も荷物やバギーを持ちながらだったので、長男に追いつくのがやっとでした。

彼に追いつき顔を見ると、こぼれんばかりの満面の笑み!それはそれは見たことのない最高の表情でした。ディズニーランドは本当に夢と魔法の国なのだなと思いました。

余談ですが、最近は特にこの時のことをよく思い出します。なにせ長男は今、反抗期のど真ん中。日々面倒な事ばかりなので余計に思い出すのかも知れませんね。(笑)
 当時、長男はまだ2才ですので、「あれ乗りたい、これ買って」などの要求もなく、ただただ、楽しい感動できる場であり、私達に連れられるままに満足してくれたに違いありません。

経験は更なる出費をうむ

2回目は長男が5才、次男が3才で、朝一番からの訪園です。3才の次男は初めてで楽しさが全てを優先してか、初回訪園時の長男と同様、本人からの強い要望は余りなく私達の言いなりです。でも、長男の行動や言動は初回時とは全然違います。ご想像の通り、「あれに乗りたい、これは嫌だ、お腹すいた、チュロス買って、アイス買って、ポップコーンが欲しい!」と言いたい放題です。最初は「仕方ないか」と長男の言うこと全てを聞き入れていましたが、施設の食べ物や飲み物は結構高いことに気付きます。いくらケース(バケット)が立派で可愛いと言っても、ポップコーンに当時2,000円(最近35周年限定ミッキーは3,500円とか!)には驚愕しました。それでも滅多に連れてくる訳ではないからと、ここは我慢して、心の中で「子供の感動はプライスレスだ!いくらかかっても仕方あるまい・・・」と思うよう感情を抑えて買いました。しかしながら、子供の要求を全て聞き入れていると、少しストレスを感じるようになります。

でも、アトラクションに行き子供達の満面の笑みを見ているうちに、そんな一時的なストレスは忘れてしまう夢と魔法の国。やっぱり、本当に素敵な場所なのですよね。

やがて、楽しい時間は過ぎ去ります。子供達も興奮冷めやらずではあるものの、丸一日園内を走りまわり、アトラクションの待ち疲れもあるのでしょう。帰り支度をする頃には次男は寝てしまい、長男までもベビーカーに乗る始末。 それなのに!「すごく楽しかったね、では帰ろうね。」とゲートに向かう途中、疲れ切っているはずの長男が「お土産欲しい!」を連呼します。「これも経験、良き思い出になるし・・・仕方ないか」と価格が安めの商品に誘導し、とりあえず子供の要求を充たしましたが、最後にまた冷静にお金の事を考える自分がいました。ここに来るのは大イベントなんだなぁと妻と顔を見合わせたものでした。

3度目以降は子供の成長の絶好のチャンス

そんな我が家も、三男が3才になった頃に、3度目のディズニーランド訪園の時期を迎えます。長男、次男が「ディズニーランドに行きたい!」とせがんできた訳です。

日頃、家計相談をお請けするなど、お金に関わる仕事をする私ですが、お金事情は一般のご家庭と大きく違う訳ではありません。家族5人で行くとなると大変大きな出費になります。入園料だけで3万円位、朝一番から最後の花火の時間まで過ごすとなると食費やアトラクション移動途中のお菓子など2万円位かかります。ましてや、お土産×3となると・・・

では、お金を余り気にせず、どうやって楽しむのか。

夢を見られて、魔法をかけられたように楽しい場所ではあるけれども、子供には少しの我慢と、実は自立性や経済観念をつけさせることができる絶好の場所(機会)でもあるのです。

3回目の訪園は計画的に行くことにしました。たまたま関東在住の期間限定パスポート(平日のみ利用可能)のチラシも見つけ利用することにしましたが、子供達にはお金事情(入園料が安くなること)を伝えるのではなく、「この日にディズニーランドに行くよ」と伝えます。すると、子供達はその日を楽しみに指折り数えて過ごします。また、訪園までの間に、お手伝いや、何か良いことをしたら「今度のディズニーランドで新しいポップコーン(バケット)を買ってあげるよ」などと目標を持たせるのです。

 指折り数えて迎えた訪園当日。日頃とは違い、息子達3人とも朝の目覚めは別人のようです。現地までの車中では、長男、次男は得意げに「最初はこれ、次はこれ、で、その次は」などとアトラクションの趣向や順番などのスケジュールを告げてきます。

入園と同時に彼らに使命を与えます。「今日一日、ご飯は別として、ポップコーン(レフィル)などのお菓子、そして帰りのお土産用に2,000円ずつ渡すから好きに使っていいよ。でも、一度に2,000円を使うと夜までもたないよ。よく考えて使うといいね。」

 アトラクションではお金は必要ないので、次のアトラクションへの移動途中の誘惑にどう立ち向かうかです。飲み物など体に必要な水分補給は持参した水筒で賄えます。

 すると、どうでしょう。次男は長男のほぼマネをするだけですが、長男はある程度、計画的に使ってくれます。アトラクションでは至極の楽しい時間を過ごし、その途中の誘惑全てに負ける訳ではなく、本当に欲しい、必要だと思った物を選択できる力が身についたようです。また、長男は次男に「それ買っちゃうと、お土産買えなくなるから、俺の分を半分あげるよ」などと優しさも備え始めます。

指折り数えて楽しみにして来た夢と魔法の国ディズニーランド。ただ楽しく遊ぶだけではなく、長男には自主性と計画性が芽生え「お兄ちゃん」の風貌も備わった感じです。子供であっても計画的にお金を使うことの大切さを、楽しさとともに経験できる素晴らしい場所でもあるのです。

この時に得た子供達の経験こそが、本当の意味でプライスレスだったと確信しています。

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