vol.75 18歳成人にできること

今年から18歳で成人!

2022年4月1日から成人年齢が18歳に引き下げられます。我が家の長男がちょうどこれにあたります。これまでの歴史においても人の成熟度は人それぞれで年齢だけに縛られる必要はありませんが、我が長男がオトナと扱いをされることに親の私にはまだまだ抵抗感も残ります。その反面、オトナなんだからと責任を持たせ早く自立する気持ちを持って欲しいとも思います。

さて、成人すると何ができるのか確認したいと思います。

  1. 親権者の承諾がなくてもクレジットカードやキャッシングなど扱えるお金の範囲が拡がります。2022年度中に18歳を迎える大半が高校生など学生だと思いますが、法律上はこれが認められてしまいます。実際にはその支払能力を審査されることになるはずですが、アルバイトでも相当額の収入があるとされれば借金ができることになります。一旦、認められれば仮にその後収入が無くなっても、クレジットカードでは一定期間・一定額まではお金が使えますので、アルバイトを辞めたあとのお金の使い方には細心の注意が必要ですし、そこまでの管理能力が備わっているか否かに関係なく使われてしまいそうで私個人的には大変心配です。
  • 同様に親権者の同意がなくとも自分の意思で買い物ができるようになります。貯金を貯めて買うのであればまだ良いですが、クレジットカードやキャッシングで高額なモノが買えてしまいます。「うちの子に限って・・・・」と思っていても、例えば、既に自立をしている友人がお金を自由に使う姿を見ては、真似て浪費してしまうなんてこともあるのではないかと心配してしまいます。
  • 未成年であれば、何らかの売買契約をしてしまっても未成年者取消権により、親権者の同意を得ないまま契約した高額な取引は取消しも可能でしたが、この権利が使えなくなります。勿論、オトナなんだから当たり前ではありますが、18歳の高校生に冷静な判断ができないこともあるのではないかと、これまた心配してしまいます。気が付けば心配ばかりしていますね!(笑)
  • 極論かも知れませんが、住む場所や進学先も親権者に相談せずとも決めることが可能になります。あくまで経済的に完全自立しない限り現実には難しいとは思いますが、選択権を持てることに違いはありません。
  • お金に関わることは心配事が多いですが、一方で良いこともあります。例えば、海外旅行に欠かせないパスポートの有効期限を10年にすることができますし、国家資格さえ取得すれば士業にも就けます。これは能力さえあれば真のオトナとして世の中に出られることですから個人的にも賛成です。

民法上、成人年齢が18歳にはなりますが、飲酒・喫煙まで可能になる訳ではありませんし、仮にこれまで同様20歳で成人したからと言って、親権者が全ての手を放して良い訳ではなかったと思います。反対に成人にならずとも自立心が元々強く、経済的、精神的かつ計画的に行動ができる子どももいます。また、女性の婚姻開始年齢は現在の16歳から18歳に引き上げられ、これまでの男女には心身の発達差異あり、女性は早熟であるため16歳とされていた考え方が見直され、改めて男女平等を基に婚姻可能年齢が同じになります。

私は長男が18歳成人第一号世代となる2022年の法改正をきっかけに、成人に至るプロセスの中で子どもと親権者とのコミュニケーションをこれまで以上に高め、お互いの信頼を深めることで親子の関係も一層良くなる好機だと捉えるようようにしています。

これまでは経済やお金のことは、聞かれたら答えると言った自然体でしか子どもたちには伝えていなかったのですが、特に成人となる長男にはこちらから積極的に伝え、長男が自らオトナとして世の中に溶け込んでいける土台作りに努めたいと思っています。

たった2年、されど2年、法律で早まる成人の機会をみなさんはどのように捉えるでしょうか。子どもがいるご家庭でぜひ一度お話しされるといいですね。

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