vol..62 子どもにもわかる、住宅ローン

ぼくもいつか家を買いたい!

三男がまた私の仕事部屋にやってきました。
「父さん、ぼくが将来大人になって家族ができたら家を買いたいんだけど、どうやって買うの?」

「お兄ちゃんたちより先に買いそうだね。(笑) 少し難しいかも知れないけど家を買う時に必要なお金の話をするね。」

「家って、すごく高いのでしょ!」

「うん、すごく高いよ!だから、ほとんどの人が銀行などからお金を借りて家を買うんだ。例えば、東京都23区で家族4人が暮らせる家を買おうと思うと、5,000万円くらいするからかなり高額な買い物になるわけさ。」

「えっ!そんなに高いの。じゃあ、この家はいくら?」

「それは内緒さ!(笑)」

「でも、そんなに借りたら返すの大変だよね。全部返さなきゃいけないんでしょ?」

「そうだよ。借りられる額は、借りる人がその時に仕事でどれくらいの収入があるかによって決まるんだよ。1年に500万円稼ぐ人と1,000万円稼ぐ人とでは借りられる額が異なるよ。」

「なんとなくわかる。稼ぎが多くてたくさん返せる人は借りられる額が多いんだね。」

「その通り。そして、家を買うために借りるお金のことを住宅ローンと言うんだ。そこには利息(金利と言うよ。)といって、借りたお金にお礼のような形で借りたお金の一部と利息を加えて返すんだよ。その利息について、少し詳しく説明するね。」

「ちょっと難しそうだけど・・・勉強する!」

「住宅ローンはね、借りる期間も長く、最近は35年間かけてお金を返すのが一般的なんだ。借りたお金の一部といっても、例えば5,000万円を借りたとすると、単純計算して5,000万円÷(35年×12ヶ月)≒12万円、毎月12万円に利息を追加して返すんだよ。」

「わ~、家を買うって本当に大変なんだね!」

「そして、その利息にも種類があって、①ずっと同じ利息もあれば、②途中で変わるものや、③ある期間だけずっと同じで、その後変わるモノがあるんだ。借りる時にその種類を選ばなくてはならないんだ。」

「どれがいいの?ぼくにはわからないや」

「うん、実はものすごく大切だから、子どものきみには少し早いけど、世の中のこともわかる話だから説明を続けるよ。」

「その利息はね、実は世の中の動き、もっと詳しく言うと景気に左右されるんだ。景気はわかるかな?」

「うん、景気が良くなると会社が儲かるんでしょ!学校で習った。」

「君が言う通りモノやサービスがたくさん売れて、それらを作る会社が儲かって、その会社の社員の給料も上がることが一番わかり易い例かな。そんな会社がたくさん増えた時には景気が良いと言えるんだよ。そうすると、利息が高くてもお金を借りる人や会社が増えて、それが続くとまた利息が上がるんだ。」

「会社もお金を借りるの?」

「その話はまたいつか話すね。」

「うん、わかった。でも、利息が上がり続けたら返すお金が増えるってことだよね?」

「そう!住宅ローンの利息の種類を選ぶ時には、実は①これからの世の中の景気が良くなるのか、②変わらないのか、③悪くなるのかを想像して、よく考えて選ぶ必要があるんだ。」

「これから景気が良くなると思えば、利息が今後あがる可能性が高いと考えて、①ずっと同じ利息(固定金利と言うよ。)を、これから景気は変わらない、もしくは悪くなると思うなら、②途中で変わる利息(変動金利と言うよ。)を、どちらに動くか想像できない人は、③ある期間だけ変わらず、その後変わる(当初固定金利と言うよ。)を選べば良いね。」

「家って、ただ買うだけじゃダメなんだね。もっと世の中のことを勉強しなきゃいけないってことがわかったよ。父さん、また教えてね。ちょっと難しくて疲れちゃった。」

「りょうかい!それに、今は、ウッドショックと言って、家を建てるうえで欠かせない木材が足りない事態でね、次回、この話をするからまた父さんの仕事部屋に遊びに来てね。」

「うん、そうする!」

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