vol.60 子どもがお金の動きを知る好機を逃さないで!

子どもが興味を示した時がチャンス!

三男がある日いきなり質問をしてきました。
「父さん、父さんの会社は株式会社なの?」

「うん、株式会社だよ。でも、いきなりどうしたの?」

「父さんに借りた本に出てきたよ!株式会社は人がお金を出してくれるんでしょ?父さんの会社のお金は誰が出してくれたの?」

「ちゃんと理解しているね!父さんの会社はね、父さんがお金を出しているんだよ。そのお金のことを資本金と言うんだけどね、父さんは会社の株主でもあるんだよ。」

「株主?なにそれ?」

「株式会社はね、株主がその会社の持ち主で、会社が行う商売や、そこで働く人や、全ての決め事を決定することができる人のことなんだよ。父さんの会社は父さんが株主でもあり代表でもあり、働く人なんだ。他の会社を例にとると、君がよく知っているニンテンドーは2020年3月末時点で株主数は48,535人もいるんだよ。」

「えっ!そんなにいるの?父さんの会社とどう違うの?」

「父さんの会社では働く人は父さんと母さんだけだし、1年を通しても動くお金の額も大したことはないけど、ニンテンドーのような大きな会社はね、商売も世界にまたがり取引の量もすごく動くお金の額も多いんだ。君がよく遊んでいるSwitchも日本だけではなく世界中で使われていることは知ってるでしょ。それだけ大きい規模で商売をするということは、ニンテンドーで働く人も数も多く必要だし、お金もたくさん動くんだ。働く人の数はなんと6,200人もいてね、1年間に1兆3,000億円ものお金が動いているんだよ。」

「何それ、すげぇ!1兆3,000億円って、びっくりするほど大きいお金だね!つまり、そのお金を株主が出してるの?」

「そうではないんだ。この1兆3,000億円は「売上」と言って、ニンテンドーが1年間に売ったSwitchなどのゲーム機やゲームソフト、その他の商売で取引された金額だよ。商売をする上で必要な会社の基礎になるお金を資本金と言って、実はニンテンドーの資本金は100億円ちょっと(100.65億円)しかないんだよ。この資本金こそが株主が出したお金なんだよ。

でも、これまでに稼いだ「利益」がたくさん貯まっていてね、ニンテンドーの持っているお金としては1兆5,400億円もあるんだよ。難しい言葉だけど、これを自己資本と言うんだよ。」

「すごい大きな会社なんだね。父さんの会社もいつかはこんなふうになるの?」

「・・・・・それは・・・・・ちょっと、いや、かなり難しいかな。。(笑)」

「株式会社はね、1年間もしくは6か月や3か月ごとの一定期間の利益の一部を株主に渡すんだ。これを配当金と言うんだよ。ちょっと難しい言葉かも知れないけど覚えててね。」

「ぼくもニンテンドーの株主になれるの?」

「いい質問だね。うん、いつかはなれるよ。ちょっと高い株なんだけど、将来働くようになってお金を貯めてニンテンドーの株を買えるといいね!」

「株式会社っておもしろいね。いつか株主になってみたい!」

子どもの好奇心はふとした機会に起こります。親からいきなり株式会社の話はしにくくとも、子どもがふと感じたところから話が広がるもんだなぁと実感しました。親がお金の話、お金の教育と大きく身構えるのではなく、チャンスを逃さず話せるように常に準備できているといいですね。これこそが、子どもにとって投資への第一歩かも知れませんね。

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