vol.6 貯蓄性を高め、万が一にも備えるは
大学入学時には学資資金を確保することができ、必要としない間は保障が一生続きます
大学資金が必要な時、保険契約の全部または一部を解約することによりお金が戻ります。このお金のことを「解約返戻金(へんれいきん)」、そのお金の戻る割合を「解約返戻率(へんれいりつ)」と言います。
この保険は解約しない限り、保障は一生続くので「終身保険」と言い、以下の特徴があります。
「払込期間」:保険料を払う期間の長さにより「解約返戻金(解約返戻率)」が異なります。
万が一の時の保険金を一定額とした場合、保険料は払込期間を長くすると安くなり、短くすると高くなります。
この特徴を生かし、払込期間を短くすることで将来解約した時に戻るお金「解約返戻金(解約返戻率)」が多く(高く)なります。
言葉では理解しにくいかも知れませんので図を見てみましょう
上の2つの図は終身保険の仕組みを示しています。共通点と相違点を見てみましょう。
共通点
- 保険契約は30才
- 保障は一生で保険金1,000万円
相違点
- 払込終了が上の図は60才・下の図は40才
- 元本到達点Aは60才・Bは40才
ポイント
- 上の図・下の図とも赤い線の解約返戻金が、青い線の支払った払込保険料総額を超える元本到達点(元本を超える点)が下の図Bの方が断然早い。
- 貯蓄性を高め元本を早くに確保したいなら、下の図Bにように、払込終了をできる限り早くすることです。
終身保険のメリットは保障が一生あり、被保険者が万が一の場合には、残された子ども(ご家族)は保険金を受取れます。また貯蓄性がありますので、一定期間(上下図の元本到達点A及びB)を超えると解約するまで利息が増え続けます。
子どもの進学にあわせて解約すれば「学資資金」として、解約しなければ「保障は一生」続きます。 デメリットは払込終了までに解約すると大幅に元本を割り込むことです。
前号に習い終身保険を少し勉強してみましょう
保険に加入する時に当事者は、やはり3人になります。
契約者:保険料を払う人で保険契約をする人
被保険者:保険の対象となる人、つまりこの人に病気やケガ、そして亡くなられるなど「万が一」が起こった場合に保険金(保障)がおります。
受取人:保険金(保障)を受け取る人
終身保険加入には一般的には以下の当事者となります。
契約者:子どもの父母
被保険者:子どもの父母
受取人:子どもか配偶者(相続税の対象となり、法定相続人×500万円は非課税です。
例えば、家族4人家族の場合、法定相続人3人(配偶者と子ども2人)×500万円=1,500万円までは非課税です。)
内容は以下になります。
契約者も被保険者も子どもの父母、受取人は子どもか配偶者にします。
つまり、親が万が一の場合、子どもか配偶者に保険金がおり残された家族の生活を守ります。
大学入学だけに限らず、子どもが中学・高校を進学する際にも「学資資金」が必要なら、終身保険を解約し、その解約返戻金を契約者である親が受取ります。
この保険には満期はありませんので、好きな時に解約し解約返戻金を受取り契約終了となります。
特約で、契約者である父母が「特定疾病:悪性がん、心疾患、脳血管疾患等」になった場合に、保険料を支払わなくて済む「特定疾病保険料免除特約」を選択できますが、超低金利の昨今では、この特約を付加することで解約返戻金(率)は付加しない場合よりも大幅に下がってしまいますので注意が必要です。
本当に必要なのか、慎重に検討すること
前号でもお伝えしましたが、貯蓄型保険の解約返戻金(率)は「市場金利」の影響を大きく受けます。払込期間を短くし解約返戻金(率)を高めても、やはり昔ほどの魅力はありません。仮に20才で契約し、30才までの払込期間で契約して、38才(契約後18年)で解約した場合の解約返戻率は104~5%程度です。お金が急に必要になった時に対応できるだけの貯蓄があり、元本到達点までの10年以上に渡りお金を貯めながら保障も欲しいという方には良いかも知れません。
しかし、保険契約である以上、上述しましたように「元本到達点」までの間に、お金が必要になった時には、解約により元本が大幅に減ってしまうリスクがあることを忘れてはいけません。