vol.4 大学にかかるお金のこと。準備していますか?

保険をかける?運用してふやす?先ずは知っておきたいこと

大学にお金はどのくらい必要なの?

子どもが生まれて少しすると、親から「早くから大学の資金を貯めなさいよ」とか「学資保険に入りなさい」と言われる方は少なくはないと思います。奨学金を受けてご苦労をされた方はよくご存知だと思いますが、大学入学時には結構な額のお金が必要になります。「生まれたばかりだし、もう少ししたら考えるから大丈夫」と思い、小学校に入学した頃になって焦る声を多く耳にします。お金に余裕がある方は別として早くに計画すれば、さほど苦労せずに大学資金を確保することができます。

先ずは、いったいどれくらいのお金が必要なのか見てみましょう。

 文部科学省が実施した私立大学への納付金(入学金、授業料、施設設備費)の調査結果があります。平成28年度では、大学入学初年度に収める納付金の平均は1,316,816(内訳:入学金253,461円、授業料877,735円、施設設備費185,620円)です。次年度以降は授業料と施設設備費(値上げがない場合で)で年間1,063,355もかかります。

(ご参考)入学初年度納付金:文学部平均1,150,863円、理科系学部平均1,518,333円、医歯系学部平均4,792,928円、その他学部平均1,455,137円

出典:文部科学省HP(私立大学等の平成28年度入学者に係る学生納付金等調査結果について)
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/1399613.htm 学部毎に詳細を知りたい方はこちら
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/shinkou/07021403/__icsFiles/afieldfile/2017/12/26/1399613_01.pdf

児童手当はそのまま全額貯蓄

児童手当制度は1972年(昭和47年)から始まり現在も継続され、子どもが誕生してから中学を卒業するまで給付されます。2011年(平成23年)から現在までは以下の給付額となっています。(住民登録をしている市区町村役所に申請が必要です。)

0~3才未満まで月額15,000円で計54万円

3才~小学校まで月額10,000円で計108万円(第3子以降は月額15,000円で計162万円)

中学校3年間月額10,000円で計36万円

合計198万円(第3子以降は合計252万円)給付されます。


(注1)生まれた月により給付金の受取総額は異なります。(4月生まれは満額の198万円、3月生まれは187万円)

(注2)この制度には所得制限限度額があり、年収960万円(税込)超の場合には1子につき一律月額5,000円で(4月生まれでは)中学卒業まで合計90万円が給付されます。扶養人数により所得制限限度額が変わりますので市区町村役所にお問い合わせ下さい。

(注3)共働きの場合は所得の多い方が児童手当給付申請対象者となります。

大学卒業までに合計約450万円

大学を卒業するまでに必要なお金は、平均値を例にとると約450万円となります。上に述べた児童手当には手を付けず給付金全額(198万円)を貯蓄に回せば不足額は約250万円です。

子どもが生まれたと同時に10,000円貯蓄すれば大学入学までに(10,000円×12ヶ月×18年間)216万円貯まります。(ここでも4月生まれと翌年3月生まれとでは差がありますのでご注意下さい。)

「少し足りないじゃない!」と思われる方には不足額250万円を貯めることを目標に逆算すると、250万円÷18年÷12ヶ月≒11,600円。これ以上の貯蓄が毎月できれば良い訳です。

1ヶ月に12,000円の貯金で!

月に12,000円ずつ貯蓄できれば児童手当と併せて大学入学までに約450万円を確保できる訳です。余談ですが、スマホゲームの課金や食材の節約等で1日400円程度を節約する感覚を持てば、大学資金の事を心配しなくてもいいのです!

当然ですが、子どもが2人・3人と増えた方は掛け算して下さいね!(笑)

前号の「お年玉」の使い方や貯め方で少しだけお話ししましたが、我が家では児童手当全額と、同額以上の貯蓄をして大学資金を貯蓄しています。

子どもができて大学資金を心配されて、保険や運用を検討する方も少なくありませんが、両方とも必ずリスクを伴います。

貯蓄は現在の日本の法律(預金保険法)では、ひとつの銀行において、仮にその銀行が倒産しても、その預金に対して元本1,000万円までと、その利息は保証されています。(日本政府・日銀・民間銀行の出資で設立された預金保険機構による保証です。)

日頃の業務でも特に「学資保険」のご相談が大変多いですが、親が経験した学資保険とは現在は違いがあることを認識する必要があります。我が家で子どもが生まれた当時は積立利率が今より高く魅力もあったため学資保険も併用していますが、超低金利の昨今は魅力があるとは言い難いです。ましてや外貨建て保険で準備するなどは論外だと思っています。こちらは次号で詳しくお話しします。

子どもが18才になる年には必要なまとまったお金。安全確実な方法で計画的に貯められれば、大きな心配もなく大学受験に臨めると思います。

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