vol.34 子どもと一緒に投資をはじめてみませんか? その5

投資は慎重に!緊急事態宣言が発令された今はどうすべき?

4月7日に緊急事態宣言が発令され、私たちひとりひとりの行動が私たちの未来を形成する重要な局面になりました。コロナ感染リスクを抑えることが私たちに託された課題です。ここは一丸となって必ずや乗り越えていきましょう。

 vol.30からお伝えしています投資についてですが、私個人がSNSなどを利用した「投資のイメージ」について尋ねた質問の回答に「株式」が一位にランクした経緯から、前号まで株式について「初心者の方が見るべき点」としてご案内しました。

 前号の続きとして、PBR『株価純資産倍率』を見たいと思います。

 会社の『ふところ事情(財務面)』を見るモノサシで、それを1株あたりで数値化したものです。

 会社を営むための資金(資本金や準備金)、それに負債(借入額)、売上げや仕入れ、人件費や諸経費、そして儲けなどがどういう状態か、つまり会社の財務価値がどんな状態なのかを示すものになります。

言い換えると、仮に会社を清算した場合に、投資した株式代金が投資家にどの程度戻る可能性があるかを示します。

 通常、○.○倍と示され、ほとんどの株式が1倍以上で取引されますが、例えばコロナショックで将来商売が厳しくなり売上が激減し、経営状態が悪化し、危うくは倒産する可能性が高くなると評価されると、1倍未満になります。  投資家はこのPBRも見て、株価が割高・割安と判断し売買することになります。

出典 Yahooファイナンス

これまで例としてご覧いただいているイオンを見てみると、執筆現在株価2,189円に対し、PBRは1.76倍(連)=連結:グループ全体を指します。

同じく例にあげた7&IHDは1.25倍、ライフコーポレーションは1.69倍です。

1倍よりも大きければ大きいだけ、その時点の株価で清算しても投資資金が回収できる可能性が高いことになります。

しかし、ご自身が過去に購入した株価で現時点のPBRを計算した結果、1倍未満になる場合には損失が出る可能性があることになりますので、購入後もチェックが必要になります。

これまでお読みいただきましたように、株式投資は超お手軽とは言い難く、誰でも簡単にできるものとは言いたくはありません。

経済全体を見回して、どの業種が活況になり、その中でもどの会社が抜きんでるのかなど、自分で世の中の経済全体を見通す必要があります。今回例にあげたようなスーパーは日常生活に密着していて業績の見通しも比較的立てやすく、株主還元もあり投資初心者にはお勧めです。

 投資をするときに大切なことは、vol.30から今回vol.34までにお伝えした程度のことは「投資をする前にしっかりと勉強すること」と、特に力を入れてお伝えしたいことは、投資をしたら「ほったらかしにしないこと」です。

 せっかく投資をしても、コロナショックのように誰にも想定しえなかったことが起こり、例えば、運用をプロに任せるが売りの「投資信託」でも、その運用内容によっては大幅な価格下落に陥ります。 

投資で一番重要なことは、必ず「余裕資金」で行うこと。熱くなり過ぎず、もし仮に損をしても問題なく生活できる範囲で行ってください。

今は、先進国の金利は歴史的に大変低く、プロでも投資が難しい環境にあります。

ましてやコロナショックで今後の世界経済の行方は未だ見通せません。こんな時は思い切った投資はせず、余裕資金の維持に努め、コロナが終息する時を待ちましょう。

日頃の業務で私は、特に初心者の方には株式よりも債券による投資をご案内しています。

世の中が正常に戻った時、改めて「債券」についてのお話をしたいと思います。

今、人類にとって大変厳しい環境ではありますが、何よりも大切な命を守るため、私たちひとりひとりが不要・不急の外出を控え、この苦難をみなさんと共に乗り越えたいと切に願います。

(注)本コラムは、あくまで情報の提供を目的としたものであり、投資その他の行動を勧誘するものではありません。

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