vol.2 子どもにお小遣いはいつからあげるべき?
早すぎず、遅すぎず、それは成長にあわせて
我が家のケース
長男にお小遣いを渡し始めたのは中学生になってからです。それまでは、欲しい物があれば適宜判断し、一緒に買いに行き支払いは親がする形をとっていました。例外があって、本に関しては、「いくらでもいいよ」とマンガであってもある程度買い与えました。
お正月のお年玉に関しては、本人が選んだお年玉袋1つを渡して、残りは預かっていましたが、中学生になりお小遣い制にした年から、長男にはお年玉を全て渡しました。ディズニーランドでも任せたように、長男に自主性と計画性が備わるよう期待しての決断でした。
本ならいくらでも
お年玉全額を手にした長男は、それまでに貯まったお年玉もあり、親の勧めに従い銀行口座を開設し半分を預金してくれたので安心しました。
長男には通帳とキャッシュカードも渡し、「自分でしっかり管理するのだよ」と告げます。まだスマホを持たせていないので操作ができる環境にはないですが、口座開設時にネットバンキング手続きも行い、私も管理できる状態にしています。1年弱経った今でも銀行預金には手をつけていないので更に安心したものです。長男は元々、お菓子でさえも外で買いたいとの物欲が無い子ではあります。
中学2年生になる年くらいから長男の反抗期が随分と目立つようになり、行く先を正確に告げずに外出したり、クラブをさぼったり、勉強にも力が入らない、そんな時期を迎えます。ある日ふと彼の机やベッドの棚を見ると、これまで見かけなかったマンガ本やA4サイズの大きい分厚い本まで相当数あることに気付きます。私は余り気にせず放っていましたが、家内がそれらをどかせて掃除をした時に、特にA4サイズの本が重く立派で、興味津々で値段を確かめたようです。すると1冊2,500円もするマンガのイラスト集が複数冊あったのです。
実は長男は幼稚園の頃から暇さえあればマンガを読み、そのキャラクターを描くのが大好きで、それらは今でも続いています。 そんな長男が自由なお金を持ったとたん、計画性のことは全く忘れてしまい、マンガも本だから大丈夫と買いたい放題だったのです。机とベッドに並んでいる本の合計は恐らく3万円は裕に超えていました。
財布の中身を確認してみると
このことが発覚してからも、長男は近所だけでなく、少し遠方まで出かけては本屋に行くようになります。本屋だからと安心してはいましたが、ある日、家内が長男を問い質します。
「今、お金いくら残っているの?」
「えっ?! うん。・・・・・」長男はまともに答えません。
「財布を見せてよ」
「え~。・・・・・」嫌々ながら家内に財布を見せました。
すると、小銭しか残っていません。
「お年玉の残りは?それにお小遣いを渡したばかりなのに、もうこれだけしかないの?何を買ったの?」
問い詰めると、言うまでもなく例のマンガとイラスト集でした。
我が家の方針で「本ならいくら買ってもいい」と思い込み、反抗期もあるのか欲求のままに買ってしまっていたようです。事実、お小遣い制にしてから財布の中は、ほぼ空になることが常だったようです。銀行預金を降ろしに行く勇気までなかったのは幸いしましたが、この方針は失敗だったと反省しました。
次男、三男の場合
次男、三男は長男の行いや親から受ける説教も横目で見ているので、ある意味ずる賢くもなり長男が犯した失敗はしません。小学生なので次男、三男には兄弟間の公平性を重んじて、まだお小遣いは渡していません。しかし、一つだけルールを変えました。毎年もらうお年玉を好きに使わせるようにしたのです。欲しい物がある時には、私か家内に一言、「これを買いたいので買いにいっていい?」と告げてもらい、親は一緒に行かずに、自分一人で買いに行くようにしました。
すると、それまではむやみやたらに言っていた「これ欲しい、あれ欲しい」の要求は随分と減り、自分の財布を見ながら「これ買ってきていい?」と言うようになったのです。それに次男、三男が日頃欲しいと言うものは、大体がお菓子で驚くような金額ではありません。お店では、お金をいくら渡して、いくらおつりをもらうかの経験を重ねることができます。
値段の高い物は誕生日やクリスマス、ポイント達成で要求してきます。因みに、一昨年長男と次男が、サンタさんは私であると三男にバラしてしまいました!(笑)また、我が家では小学校の小テストで100点を取ると1点ずつ加点していき10点たまると1,000円相当の、50点たまると7,000円相当のご褒美をあげるポイントシステムをとっています。1点100円相当ですが、50点まで使わずに待てば利息が付く感覚で7,000円程度まで許しています。(苦笑)
早すぎず、遅すぎず、子どもの趣味・趣向などを見て
お金の専門家でも、子どものお金事情に関しては試行錯誤の繰り返しです。長男に小学生のうちから“お小遣い”を渡し、その中でやりくりさせていたら結果は違っていたかも知れません。同じ親から生まれた子どもでも、物欲に関しては三者三様です。長男には幼少期からマンガ・絵描きと言う趣味がありますが、次男、三男はまだ特段の趣味はありません。長男のマネをしてマンガを読む、絵を描くはしますが、趣味と言えるほどではありません。
お金・経済観念を習得する観点では、友達と外出し現地で飲食をすることもあるので、“お小遣い”は遅くとも中学生からは始めた方が良いとは思います。しかし、物欲があまり無い、趣味もまだ定まっていない小学生低学年のうちは、焦って“お小遣い”を渡す必要はないと思います。子供の趣味・趣向を見極めながら、「これ欲しい・これ買いたい」と要求が増えてきた時が“お小遣い開始”のサインではないかなぁと思います。