vol.57 住宅ローン控除適応期間延長措置
子どもの進学にあわせて引っ越し?!家を買おうかな
春は人事異動や子どもの進学で引っ越しを検討している人も増える季節です。テレワークも増え都心から郊外へと拠点を変え、家を購入する方も増加傾向にあります。
家を購入する際に借りた住宅ローンを基に税金が戻る制度(税金還付)が2019年の消費増税により3年間延長され、通常は10年間の税金還付が13年間も受けられます。
本来は2020年度(昨年度)までの時限措置でしたが、コロナ禍もあり景気浮揚策の一環として今年2021年度までその適応期間が延長されています。
注文住宅・建売住宅・マンションが対象になりますが、その種類により適応となる契約日の期限など条件が異なりますので、詳しくお話ししたいと思います。
契約期限
新築注文住宅は2021年9月末まで、中古は戸建てもマンションも2021年11月末までに物件の売買契約が必要になります。入居期限は2022年12月末までで大丈夫です。
所得制限と対象延床面積
更に、この時限措置期間においては延床面積がこれまでは50㎡以上が対象でしたが40㎡に引き下げられています。ただし、所得制限があり、50㎡以上ではこれまで通り所得金額3,000万円(年収目途3,195万円)以下が、40㎡以上50㎡未満では所得金額1,000万円(年収目途1,195万円)以下の方に適応されます。
住宅ローン控除額の内容
毎年年末(12月31日)の住宅ローン残高の1%(≦40万円 認定住宅は≦50万円)が基本的には所得税から、もし所得税額で控除しきれない場合には住民税(≦13.65万円)から税額控除(支払った税金が戻ること)されます。
(注)中古住宅の場合、税額控除上限は20万円です。
例えば、住宅ローン借入額4,000万円(年末時点)だと想定すると戻る税金額は住宅ローン残高×1%=40万円です。住宅ローン借入額が5,000万円の場合でも上限は40万円(認定住宅の場合には50万円)になります。
これが通常は10年間ですが、今回の時限措置では、その後の3年間も住宅ローン借入額の2/3%年か住宅価格の1%のどちらか低い額が控除対象となります。
この控除額を所得税だけでは控除しきれない場合には住民税から翌年度6月以降に減税されます。(上限13.65万円)
この制度を受けるには以下の条件をクリアする必要があります。
住宅ローン控除の適応条件
新築住宅
・住宅ローン控除を受ける人が物件の引渡日から6か月以内に居住すること(但し、転勤などで単身赴任し家族が居住し、一定の条件を満たせば適応されます。)
・延床面積(登記簿)が50㎡(時限措置で40㎡)以上、かつ1/2以上が居住用であること
・住宅ローン返済期間が10年以上あること(10年未満になると適応外になります。)
・所得合計が3,000万円(年収目安3,195万円)、時限措置の延床面積40㎡以上50㎡未満は1,000万円(年収目安1,195万円)以下であること
・居住した年とその年の前2年間、その後3年間の合計6年間に居住用物件を譲渡し長期譲渡所得の特例を受けていないこと(令和2年4月1日以降に譲渡した場合*)
(*)それ以前に譲渡した場合はその居住した年の前後2年の合計5年間になります。
中古住宅
・非耐火(木造など)は築20年以下、耐火(マンション)では築25年以下の建物であること
・耐震基準適合証明書を取得していること
・既存瑕疵担保保険に加入していること
・住宅性能評価書で耐震等級1以上 慌てて住宅を購入することは絶対お勧めしませんが、今からならまだ間に合いますので、住宅購入を検討中の方は契約日に注意してくださいね。