vol.9 住宅ローンの組み方その2
絶対に知っておこう!夢のマイホーム 住宅ローンの組み方 その2
住宅ローンを借りる時に考えるべきことが5つあります。
- 誰が借りるか
- いくら借りるか(本当に返せるか)
vol.8ではここまでのお話をしました。
今回は
- 住宅ローン金利の種類をどうするのか
住宅ローン金利の種類は大きく分けると3種類あります。
A全期間固定金利型、B当初一定期間固定金利型、C全期間変動金利型
Aは「ずっと変わらず同じ」固定金利で借りるので、契約時点で契約終了するまでの返済総額が決まります。年間の返済額もずっと同じです。
メリット:年間返済額・返済総額が確定するので将来世の中の金利(市場金利)が上がっても心配はありませんし、返済計画がたてやすいです。
デメリット:変動金利と比べると金利は高めで将来市場金利が上がらなかった場合には、変動金利選択の場合よりも返済総額が多くなります。
Bは当初3年間・5年間・10年間のいずれかを選び、その当初の一定期間は「変わらず同じ」固定金利で、その後は再度固定金利か半年ごとに見直される「変動金利」が選べます。(過去は、当初一定期間後自動的に変動金利になりましたが、昨今は改めて変動金利か固定金利を選べる住宅ローンがあります。当初一定期間後の金利が過去同様かどうかはご確認下さい。)
メリット:当初一定期間の固定金利は全期間固定金利よりも低く、この期間内は金利上昇のリスクはないので安心です。
デメリット:当初一定期間終了後に金利が上がれば返済負担が増え、返済総額も増えてしまいます。
Cは「ずっと同じかも知れないし、変わるかも知れない、半年ごとに見直される」変動金利ですので、年間の返済額も将来の返済総額も契約終了時までわかりません。(年間返済額は通常5年ごとに見直されます。)
メリット:固定金利よりも金利がかなり低いので、将来金利が上がらなければ返済総額は少なくてすみます。
デメリット:6ヶ月毎に金利が見直され、金利が上がった場合には将来(5年毎に見直されます)年間返済額が増え、返済総額も増えてしまいます。契約終了まで金利の動きから目を離せません。
では、どれを選ぶべきなのか?
- 歴史的な金利の推移を見てみる。
ご両親が家を買われた昭和の半ばから平成初めのいわゆるバブル時代では、インフレ(物の価格が上がる)が起こっても物は売れ、それらに伴い市場金利は大変高く、住宅ローン金利は8%を超えることもありました。しかし、バブル経済が崩壊してから日本はデフレ(物の価格が下がること)に陥り、大企業や特殊銀行及び都市銀行が倒産してしまうほど大きな打撃をうけ、市場金利は下げ続けることになります。
2016年2月に日本銀行が導入した「マイナス金利政策」の影響も大きく受け、住宅ローン金利は、借りる人の収入や自己資金、購入物件の建築条件などにもより異なりますが、現在は固定金利でも1%未満で、変動金利に至っては0.5%未満で借りることができます。(2019年3月現在)
金融経済の一般論として、景気経済が良くなれば市場金利は上がり、反対に悪くなれば市場金利は下がります。ここではこれ以上難しいことは省きますが、住宅ローンを借りた後の日本の景気経済が良い:悪いどちらに向かうのか。ある程度でも良いので、その見通しを立てて金利の種類を選ぶことも大切です。ご自身では難しいと思われれば、FPやお近くの金融機関にご相談されることをお勧めします。
イ.ご自身の性格を考えてみる。
「性格で金利を選ぶの?」と不思議に思われる方もいらっしゃるかも知れませんが、実は大変重要です。
私は日頃の業務で、ご相談内容と同時に性格をお聞きして、その対処法をお伝えしています。
タイプ分けしましたので、ご自身はどのタイプに入るか確認してみて下さい。
A安全確実を好む、石橋を叩いて渡る方。とにかく心配性な方、危険を避けたい方向け。
ずっと固定金利で将来の金利上昇リスク(返済総額増)を避けられます。
返済キャッシュフロー(月々の返済額や将来の返済総額)を確定できるので金利上昇による返済負担増の不安がなくなります。手持ち資金に余裕ができて繰上げ返済もすれば、返済期間の短縮や、月々(年間)の返済額の減額も可能です。
B安全性と利益性(リスク)をバランス良くとれる方。ある程度の冒険をしながら、ケガをしそうになったら上手く対処できる方向け。
Aの全期間固定金利よりも更に低い固定金利で一定期間借りられて、その一定期間内(後)に相当額を繰上げ返済できれば返済総額が相当少なくなります。
性格には関係ないですが、今後収入が確実に右肩上がりに上がる、将来の収入の見通しが立てやすい方にも向いています。数年後に退職金や生前贈与を受けるなどの予定があれば当初固定金利の一定期間内、もしくは経過後にある程度の繰上げ返済もできる方には最適です。
C物事の変化や世の中の動きを注視できて、調査や検証するのが得意でマメな方。
冒険心が強く、ケガをしそうになると、その対処にも長けた方向け。
金利が低い間はそのままで良いですし、もし将来金利が上昇し、返済負担が増える時には借り換えや、繰上げ返済も積極的に行える方には向いています。借り換え時には手数料や別途諸経費が必要な場合もありますので、その比較計算もできる方であれば良いと思います。
歴史的な金利の推移とご自身の性格を考えて、金利の種類を選ぶことが、とても大切です!
このお話は次回にも続きます。