vol.76 児童手当とパート

2022年で変わるお金のこと!

2022年は変わることがたくさんありますので、前号でお話しした18歳成人に続き、子どもを持つご家庭に関係するお金についてお話しします。

児童手当法に基づき1972年(昭和47年)1月から児童手当が支給されています。発足当初は第三子以降が対象で月額3,000円支給されていましたが、その後少しずつ支給額が引き上げられ、昨今では少子化を少しでもくい止めようと、かつ子育てにおける生活の安定や子どもの育成に資する目的で、子どもの誕生から中学校を卒業するまで(15歳の誕生日後の最初の3月31日まで)の15年間支給されていますが、今年から収入が多いご家庭ではその見直しがなされます。

支給額は以下の通りで、原則として、毎年6月、10月、翌年2月にそれぞれの前月分までの手当がまとめて支給されます。

内閣府HPより引用

昨年までは世帯主の課税所得が960万円までは上記の額が支給され、それ以上の所得がある場合には一律で月5,000円支給されてきました。

今年からは更なる所得制限がつき世帯主の収入が1,200万円以上になると廃止になり、子ども1人につき5,000円、年間6万円の手当がなくなってしまいます。

その間に位置する世帯主の収入が960万円以上1,200万円未満の方は、これまでと同様

に一律5,000円が支給されます。

計算をすると、5,000円×12ヶ月×15年間の合計は90万円にもなります。これまでこの手当を受給し養育費及び生活費や何らかの支払いに充てていた方は、今から早目の対応をお勧めします。

この制度変更は今年2022年10月支給分から適応となりますのでご注意ください。

今回の改正は、昨今共働き世帯が増加し保育園の需要が増して起こっている待機児童数を減らそうとする解決策のひとつです。高所得者への給付をなくし、保育園拡充などの財源を確保する目的で見直されたものと想像がつきます。内閣府の試算によると、これによる財源確保は370億円にもなります。あまり批判はしたくありませんが、大半の国民に不評だったアベノマスクに使われた費用は総額500億円超とも言われていますし、2021年末において総額115億円分のマスク在庫が倉庫に眠ったままで、保管の費用にも億単位の経費がかかるため、岸田総理はこれを廃棄すると決定したことは記憶に新しく、国のお金の使い方には首をかしげてしまいます。

また、2022年10月以降になりますが、これまではパートで得た一年間の収入が106万円(130万円未満まで)でも会社の規模として従業員やパートの人数が500名以下であれば任意だった社会保険への加入義務が見直され、その数が101名以上(以下の全要件充足の場合:所定労働時間が週20時間以上、雇用期間2カ月超の見込み、月額賃金88,000円以上、学生でない)であれば任意ではなく義務となりますので、配偶者の扶養ではなくなります。

仮に、収入が105万円では所得税1,000円、住民税9,500円(東京都の場合)で済み社会保険加入は必要ありませんが、107万円の収入では所得税2,000円、住民税11,500、そして社会保険料厚生年金8,052円、健康保険4,342円(40才未満介護保険無し)、5,130円(40才以上介護保険あり)の負担が必要となりますので、手取りが減ります。

更に2年後の2024年10月からは、この会社規模は更に51人以上に見直しされますので、今からこれを念頭におき働かれることを勧めします。

政府は社会保険料の徴収を少しでも増やし、少子高齢化による年金財源減少傾向をくい止めることに躍起になっています。まだまだ若いからと他人事に思わず、iDeCoなどを利用してできるだけ早いうちから将来の老後資産形成を心がけていただければと思います。

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