vol.50 子どもに教える為替のこと
ねぇ、ドルとかユーロとかなぜ毎日数字が変わるの?!
ある日、小6の三男がいきなり質問してきました。
「父さん、ドルってさ~、1ドル100円くらいなんでしょ。父さんがいつも見ているニュースでさ、数字が毎日変わるよね。ユーロも変わるのはなぜなの?」
「いきなりすごい質問だね! ところで君はドルやユーロはそもそも何か知っているの?」
「ドルはアメリカのお金でユーロはえっと。。。とにかく外国のお金でしょ!」
「うん、そうだね。どうして知ってるの?」
「だって、父さん毎日見てるの知ってるし、この前学校でも習ったよ!」
「そうだったのか!じゃぁ、少し難しいかも知れないけど外国のお金と日本のお金のことを勉強してみよう!」
「うん、いいね!」
こんな会話から三男に為替について話すことになりました。
ハワイ旅行で当時小学6年生の長男、小学4年生の次男にはマクドナルドで本人たちはイヤイヤながらも自分で買わせるようにしむけたことがあったものの、その後二人から為替の仕組みなど聞かれたことがありませんが、実践の場でもない国内にいて三男は為替の仕組みに興味があるようです。
「今は1ドル104円くらいなんだけど、1年前は110円くらいだったんだよ。4年前は100円になり、5年前だと125円!」
「えっ!そんなに変わるの?!どうして?」
「まずね、外国のお金と日本のお金を交換する数字のことを為替レートと言うんだよ。この言葉は覚えてね。」
「うん、知ってる!」
「お~、勉強しているね!それで、その為替レートが変わるのにはいくつもの理由があるんだ。難しいことも多いけど、簡単なわかりやすいことから話すね。」
「ドルは君も知っているようにアメリカのお金。そのアメリカで起こっていることや、アメリカの人たちがモノを作って国内外で売って、国内外のお客さんがどれくらい買っているかなどによって為替レートが決まるんだよ。」
「アメリカは日本とは違うの?」
「いい質問だね!基本的には同じだよ。じゃあ、まずはアメリカで作られているモノと日本で作られているモノを見比べてみよう」
「君が毎日夢中になって使っているiPhoneだけどさ、それ、どこの国の何という会社が作っているモノか知ってる?」
「アメリカでしょ、知ってるよ。作っている会社はアップル!」
「Switchは日本製品だと知っているよね?」
「もちろん!任天堂だよね!」
例えば、iPhoneは毎年新しいモノが発売されるのだけど、それが世界中でどれくらい売れたのか、これを作っているアップルはどれくらいもうけたのかで為替が動いたりするんだよ」
「うん、わかるよ。アップルは輸出するんでしょ!」
「そうそう! iPhoneはアメリカ製品だからドルで売られている。iPhoneを売りたい日本のお店は仕入れる時に円をドルに換えないといけないわけ。そして、iPhoneを買いたい人がたくさんいる=ドルを必要とする人もたくさんいるのはわかるかな。そうすると、円をドルに換える人が増えるとドルの値段も上がるんだよ。こんなやり取りが毎日あるから為替レートが変わるんだよ。」
「そっか~、なるほど!買いたい人が多いとドルの価格が上がるのね!」
「そうそう、その調子!それとは反対に任天堂のSwitchは円で売ってるよね。iPhoneとは反対のことが起こるわけさ」
(注) 実際は(米)ドル建てもしくは生産拠点現地通貨建てで取引されていることが多いです。
「そっか~、なるほど、簡単だね!」
三男は満面の笑みを浮かべて得意気に私のもとから去りました。(笑)
為替レートの変動要因は両国の経済動向、中央銀行の金融政策や地政学的要因など複雑に絡み合い取引されます。
次回は子ども向けにではなく、大人向けにお話ししたいと思います。