vol.43 この機会に保険を見直そう!その5
子どもの成長にあわせて備える保険とは?!
新型コロナで問い合わせ急増。この機会に無駄な保険を見直そう!その5
前号では遺族年金でいくら受け取れるかの事例をお話ししました。
大体の数字がわかれば、ご家族を守るには最低いくら必要かを以下の手順で考えます。
- 毎月必要な生活費(お小遣い、雑費、冠婚葬祭費等予備費も含む)はいくらか?
これをAとします。
- 子どもの教育費(公立か私立か)はいくら、いつまで必要か?
生活費の予想は直ぐにできても教育費はわからない方が多いと思いますので、平均的な年間教育費(学校及び学校外活動の合計)を以下に示しています。
*平成30年度文部科学省 子供の学習費調査の結果についてより抜粋
これらを月割りした数字が以下になります。
平均的な数字ですが、おおよその目途になると思います。
希望(公立か私立)の幼稚園(2~3年間)、小学校(6年間)、中学校(3年間)、高校(3年間)の合計に、大学は私立を想定し4年間で平均約450万円(vol.4参照)を足した総合計を18~19年間で月平均を算出します。これを教育費Bとします。
(注)但し、大学の学資資金を貯蓄、短期払終身保険や学資保険で貯めている方は差し引きして調整されて下さい。
また、子どもが複数の場合には加算調整されて下さい。
AにBを足した額から遺族年金を差し引いた額を毎月必要額Cとします。
このCを民間の生命保険で補えれば良いことになります。
- 一般的には末子が大学を卒業する頃を目途とし、配偶者の老後保障も含めたいかを考えた上で何年間の保障が必要か(保険の満期)を決めます。
ではどんな保険が良いのか。
収入保障保険があります。
この保険は大黒柱(配偶者)がご不幸にあわれた場合に給料を受け取るように保障されます。
ご家族(保険金受取人)は保険金を以下3つの方法で受け取ることができます。
- 毎月型:満期まで毎月受け取れます。
- 一括型:将来の分まで前倒しでまとめて受け取れます。
- 折衷型:一部を一括で、残りを毎月受け取れます。
(注)受取り方により税金が異なり注意が必要ですので次号以降で説明します。
ここで、2の一括による受取額を見てみましょう。
例として毎月の保障額20万円で満期を25年とします。
一年間に20万円×12か月=240万円受け取れます。
一年間に240万円受け取れる契約なので、もし、契約直後にご不幸がおこったと仮定した場合、満期までの25年間分を受け取れます。
240万円×25年間=6,000万円(下図D)となります。
ただし、この保障額は将来25年間に渡り受け取る保険金の合計額で、一括で受け取る場合には、保険会社が本来25年間運用しながら支払う予定で計算した基となる予定利率から導き出される運用益相当額等を差し引かれて支払われます。
契約年齢と性別により少し異なりますが、2020年8月執筆現在、30才男性の場合、一括での受取額は約4,920万円になります。
また、この保険には満期からさかのぼる一定(1年・2年・5年から選択)の保証期間があり、この期間においてご不幸があった時は、例えば5年を選択していれば、満期日に亡くなった場合でも240万円×5年=1,200万円(下図E)が一括で受け取れます。
保険料は1年より2年そして5年が高くなります。
気になる保険料は保険会社の商品により異なりますが、非喫煙者健康体優良割引(契約前1年以上タバコを吸わず、血圧とBMIが一定範囲内、過去2年間の健康診断にて要検査、要精密検査、要治療などがないこと)1年保証で年間約32,500円です。割引されない(喫煙者)標準体だと保険料は約47,000円になります。
これほど差がありますので、この保険を意識された方はタバコを辞めて、今日から健康に!(笑)
収入保障保険の仕組みを図で示しています。
保険金額の推移を表で示しました。(最低保証期間1年の場合)
ご覧のように、若くしてご不幸があった場合には、将来に渡り必要な額をまとめて受け取れるので精神的にも安心です。年数の経過とともに、その受取総額が減額(逓減)していくので逓減(ていげん)定期とも言われます。
この収入保障保険には「死亡・高度障害状態」だけでなく、「介護状態」、「特定障害状態」、「就労不能状態(メンタル就労不能)」など、様々なリスクも保障される商品ラインナップがあります。
更に、特定疾病に罹患し一定の条件を満たせば保険料が免除される特則もあります。
次回もこの保険を更に詳しく説明します。