vol.16 子どもに迷惑をかけない老後を過ごすために その3
人生100年時代の到来。子どもに迷惑をかけない老後を過ごすために その3
私の本音は、債券への投資。為替リスクは伴うものの、アメリカの国債や社債をお勧めしたいです。しかし残念ながら、現在、iDeCoの対象投資商品は投資信託がほとんどです。
初心者の方に何かをお勧めしなければならないとすればアメリカ経済への投資が可能な投資信託です。これまでの歴史を振り返っても、アメリカ株は変動こそ勿論ありますが、マーケットが創設されて以来、長年右肩上がりの価格形成をし続けています。
一方、失われた20年と言われる日本株は残念ながら、バブル経済崩壊後、結局、史上最高値から半分強までしか戻らないのが現状です。
アメリカのGDP(1年間に生み出される物やサービスの合計を金額で表したもの)はご存知の通り世界一で、その規模はなんと日本の4倍強もあります。この事実を知れば、アメリカがいかに世界経済をけん引しているのかがわかりますね。
アメリカの主要企業指数であるNYダウ、そしてS&P500はNYダウよりも広範囲な企業に分散投資されている指数で、これらに連動する投資信託があります。
NY(ニューヨーク)ダウ:アメリカを代表する企業30社の株価で構成されています。
・アップル:iPhoneなど
・マクドナルド:ハンバーガー
・ウォルトディズニー:ディズニーランド・シー&映画など
・ジョンソン・アンド・ジョンソン:コンタクトレンズ、日用雑貨など
・マイクロソフト:Windowsなど
・ナイキ:スポーツ用品
・JPモルガン・チェース:大手銀行、私の古巣の親会社です。(笑)
など30社
S&P500:アメリカのNY証券取引所・NASDAQ等の取引所に上場されている500社の株価で構成された指数です。
皆さんが知らない企業名もあるとは思いますが、アメリカ経済そのものに投資する感覚です。
今やスマホは日常生活に欠かせません。日本ではスマホの約4割はアップルのiPhoneが占めています。今、ちょうど特にアメリカと中国において貿易戦争が激化し、関税引上げ合戦となり、アメリカの同盟国である日本でも中国Huawei(ファーウェイ)製スマホに対し大手キャリアが発売を延期するまでに至っています。6月末のG20大阪サミットでは米中首脳会談が行われ、第4弾の関税引上げ延期と、アメリカからHuaweiへの部品輸出再開の談合がなされましたが、まだ完全決着はしていません。今後の行方はアップルの業績に影響します。
夢と魔法の国ディズニーランド(vol.1:子どもの自立性や経済観念をつけさせるには)では、新しいアトラクションができると、子どもに連れて行けとせがまれますが、大人も行きたくなりますよね!(笑) アメリカ本国でも同じです。
アメリカ企業は日本人には大変馴染みがあり、その製品・サービス及び施設は子どもから大人まで、私たちの生活に密着しています。
身近に感じませんか?
ご自身の老後資金のための投資として捉えるだけではなく、そんな身近に感じられることを、子どもと話をしながら投資を一緒に始めてみてはいかがでしょうか。
我が家では、まだ子ども(中三長男にも)にスマホを与えていません。
しかし、次男が今年中学に入学し、私にある依頼をしてきました。
「父さん、クラスメイトの多くがスマホを持っているよ。今度のテストで良い点を取ったらお願いがある。iPhoneって高いのでしょ!俺、Androidの安いのでいいから買ってよ~!」
中学生にスマホを与えることは賛否両論ありますし、この場では話題にしませんが、我が家の方針として却下したものの、次男にはスマホ機種の物価(価格)感覚があることに気付きました。クラスで、そして高校生・大学生・社会人は、どれ位の割合でどの機種を持っているかの観察力や専門誌などでも検証ができれば、メーカーの業績予想がある程度できます。投資結果の勝ち負けはそんな単純ではないですが、投資とは、そんなところからスタートすると良いと思います。
日頃の生活で売れ筋などを知り、家族で話題にする。
これこそが、子どもへの投資教育の第一歩であり、投資の魅力を子どもにも教えられる絶好のチャンスでもあります。
ご自身だけでなく、子どもと一緒に投資の勉強を少しずつ行い、老後資金を確保できたら楽しいですよね。
投資を始めたなら、ほったらかしにせず毎年の利益目標を決めてください。
例えば、7%儲ければ一旦売り様子を見る。不安を感じればまた定期預金に組み入れる。年利回り7%で10年間もしくは受取時期までに10回この利益を複利運用にて(元本と利益を翌年全て再投資して得られる利回り)確保できれば、その投資元本は約倍になります。
超低金利環境ですので現実的には仮にその半分の3.5%の利回りを目標に利益を確保すれば20年間で投資元本は約倍になります。
このようなスタンスで投資に臨めるまでは、定期預金で我慢することをお勧めします。
節税効果は大きな魅力ですし、何よりも大切なことは、投資元本を減らさないことだと思います。