vol.51 為替のこと、少し学びませんか?
子どもでも為替のことを知りたい!質問されたらどうしますか?!
先日から我が家の小6三男は少しだけ理解した為替のことを得意気に話します。
「ユーロはヨーロッパのいくつかの国で使われているんだね!」
もし、みなさんも子どもから為替の質問をされたらどう答えますか?
今回は為替の動き方について少し詳しくお話ししたいと思います。
為替は多くの事柄が絡み合い取引され、その価格が日々、そして刻一刻と変動します。
また、株式市場とは異なり取引所ではなく、銀行間で電子的に、また為替ブローカー(仲介会社)を通じて、24時間、土曜日、日曜日と元旦以外は一年中取引され変動します。
では、どのように価格(為替レート)が動くのでしょう。
専門用語が出てきて少し難しいかも知れませんが為替知識の習得と思って読んでいただけたら幸いです。
いくつもの要因がありますので、ひとつひとつ見ていきましょう。
- vol.50で三男と私の会話にあるようにモノの売り買い、つまり需要と供給で動きます。
例えば、日本の携帯電話会社全社がiPhoneを合計100万台輸入するとします。機種は色々ありますが、仕入れ値が1台平均80,000円だとすると、合計金額は800億円になります。
各携帯電話会社が仕入れるタイミングに数日の差異はあるでしょうが、これだけの金額の為替取引が行われるので為替レートに影響を与えます。
800億円の米ドルの買い需要があり、携帯電話会社は手持ちの円を売り・ドルを買う⇒ドル高傾向になることは理解し易いですよね。
反対に日本のモノが売れる場合には、その反対の取引が行われ、海外企業は手持ちのドルを売り・円を買う⇒円高傾向になります。
2. 日本と世界との取引で年中モノの売り買いが行われる訳ですが、その取引量の統計が財務省及び日本銀行より毎月発表されます。
貿易統計(速報と確報等があります。)と言い、私たちプロはこの数字の変動を見極め(黒字・赤字として捉え)黒字となれば円高傾向に、赤字となれば円安傾向になるのがセオリーです。
但し、昨今では全ての日本製品が日本から輸出されているのではなく、取引される現地国やその他諸外国で生産及び販売されることが多くなり、次にあげる国際収支がより重要視されています。
3. 国際収支:海外で生産及び販売されたモノやサービス(証券投資含む)で稼いだ額から、反対に日本国内で生産及び販売された外国製品やサービス額を差し引いた額を黒字・赤字で示されます。
これも、黒字となれば円高傾向に、赤字となれば円安傾向になります。
この国際収支はA経常収支、B資本移転収支、C金融収支で構成されています。少し難しいのでここでは概略を説明します。
A経常収支:貿易収支(輸出入)、サービス収支(旅行・運送・金融・教育など)、所得収支(日本法人海外支店及び現地法人、日本企業の海外金融資産の利子や配当など)、経常移転収支(国際機関への負担金や対外援助など)で表されます。
B資本移転収支:現地国での工場設立など。
C金融収支:直接投資(有価証券など)及び外貨準備高増減(国政府及び日本銀行が保有する外貨。)
これらの動きを過去の数値と比較し、どのような経済活動が行われたかを判断され、また、今後の予想をたて為替取引が行われます。
色々なモノサシにおける数値がありますが、比較検証をした結果の変動が同じでも、必ずしも同じ方向(円高及び円安)の動きをする訳でもないのがマーケットの難しいところでもあります。
しかし、こらから話すことを知ると、為替レートの動き方が少しずつわかるようになります!
「そうか、そうだったのか!」
そんな声が聞こえてきそうです。(笑)
為替が動く重要な要因はまだ他にもありますので次回に続きます。